多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された妊活について書きます。
2020年10月現在、私は妊娠しています。
通院中は、ほぼ毎日のように、「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠できる」「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠した」とインターネットで検索をかけて、治療を経て妊娠することができた女性の体験談を、希望を持って読み漁っていました。
いつか妊娠できたら、私も「PCOSでも妊娠できたよ!というブログを書こう」と思いながら。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた④~精液検査のため夫同伴の初通院の続きです。
クロミッドの服用開始、「これで妊娠できる」という根拠なき確信
プレマリン・プロベラの内服によって強制的に出血を起こし、その出血の5日目から、排卵誘発剤クロミッドの服用を開始しました。
服用は朝食後に1錠、5日間服用。
病院からの説明によると、副作用はほとんどなく、多胎妊娠の可能性が自然妊娠よりは高くなるとのこと。
この薬を服用してもらった時、なんとなく、これで妊娠できると思っていました。
多嚢胞性卵巣症候群という病名もわかったし、生理は来なかったけどプレマリンとプロベラが効いて出血も来たし。
そもそも風邪薬にしても、過去に飲んでいたピルにしても、飲めばしっかり効果があったので、原因がわかって薬を正しく服用しているのだから、効果が出る=ちゃんと排卵して妊娠できるに違いないという謎の自信でした。
14日目の超音波検査で卵胞の大きさと排卵時期をチェック
今後の流れは、出血から5日目より5日間続けて内服した後、指定された14日目に卵胞チェックのため再度病院へという指定でした。
クロミッドにより卵巣内で卵が育っているかどうか、超音波検査でチェックを行い、このチェックの結果、卵が排卵手前まで育っていることが確認できれば、夫婦生活のタイミングを取る日にちが指定されます。
もし生理が28日周期の場合は、生理開始から14日目頃が排卵日。
14日目の通院を指定された私は、当然のように、今日はクロミッドによって周期が整い、卵巣内で卵が正しく成長していることが確認でき、タイミングの指定がもらえる!と、これまでより明るい気分で、午後休を取って病院へ。
受付で尿検査を指定されたので、検尿を行い、ほどこなくして診察室に呼ばれました。
この日の担当は、優しい仏の院長先生! 嬉しい!
「薬の副作用などはありませんか。大丈夫ですか」
「はい」
「では卵の大きさをチェックしましょう」
と促されて、私は隣の内診室の内診台へ。
脚を開いて、器具が体の中に入ってくる違和感を我慢しながら、ドキドキしながらエコーの映るモニター画面を見つめます。
「子宮内膜は厚くなって来てますね。排卵の準備は始まっています」
「はい」
卵巣が映り、丸い卵がいくつか見えました。
「……うーん。あんまり育ってないね。1番大きくて13~14mmくらいかな。排卵するのはね、だいたい20㎜くらい」
(……あれ)
「もう少し様子を見た方がいいのかな。ではもう1度診察室へどうぞ」
先生の合図と共に、脚を開いて座っていた内診台が下がり始め、高まっていた自分の気持ちも急激に下がっていくように感じました。
初めてのゴールドサインLHワンステップ排卵検査薬
しぼんだ気持ちで内診室に行くと、院長先生が「排卵時期も確認してみようね」と言って、「準備はいい?」と、デスクの上に置いた何かを指す。
その何かは、排卵検査薬のゴールドサインLHワンステップでした。
ゴールドサインLHワンステップ排卵検査薬とは
採取した尿をフィルターにかけて、尿中のLHホルモン(黄体形成ホルモン)を検出して、排卵日が近づいているかどうかを診断するものです。
妊活中の方には馴染みのの薬かもしれませんが、この時の私は、ゴールドサインという名前も知らなければ、それ自体を見るのも初めてでした。
院長先生が差し出した「ゴールドサイン」は、既に尿が加えられたフィルターに判定プレートと呼ばれる蓋がしてある=判定結果は見えない状態になっていて、先生はこの蓋を開けてもいいか?という意味で、先生は「(排卵しそうかどうかわかるけど、心の)準備はいい?」と私に尋ねたのです。
という状態だったことに、診察が全部終わって待合室に戻ってゴールドサインをググってから気づきました。
院長先生、説明不足ーーー(ノД`)・゜・。
ゴールドサインの判定結果
先生に「準備はいい?」と尋ねられて、意味がよくわからないまま頷いてしまった私。
院長先生が判定プレートを引き抜き外すと、何の反応も出ていない真っ白いフィルターが、そこにありました。
結果:陰性
「やっぱり排卵はまだみたいです」
「はい(クロミッドの効果が出てないってこと?)」
「卵は成長すると思うので、今日は金曜日だから、月曜の午後に来れる?」
「月曜日ですか…(今日午後半休取ったのに、フレックスで早上がりか再度午後休? 会議の予定があった気がする…)」
「タイミング見逃さないためには、週明けが良いと思います。どうしても無理だったら火曜かな」
「わかりました、月曜日で調整します(火曜はアポイントがあるから月曜日で都合つけるしかないか。。。)」
帰り道で向き合った、不妊治療の辛さ
診察室を出て待合室に戻り、月曜日午後の業務タスクを確認。
会議終わりの16時半にフレックス制度を使って退勤すれば、かろうじて空いていた18時からの診察枠に滑り込める。
予約。
その後、ゴールドサインについて調べながら、お会計を済ませ、トボトボと帰路につきました。
こうして、正しく薬を服用しているのだから間違いなく結果が出ているだろうという私の根拠なき自信は打ち砕かれたわけです。
今思えば、不妊治療と言えば人工授精や体外受精というイメージがあり、服薬でスタートする自分はそこまで重症なわけではなく、私は薬さえ飲めばすぐに解決すると勘違いしてた。
何度も通わないといけないとか、そのために仕事との調整が大変だとか、私にはまだ関係ないかなという気持ちがどこかにあったような気がします。
月曜日に行ったら、卵は育っていてちゃんと排卵するのか?
しなかったらどうなるんだろう?
いつ妊娠できる? もしかして年単位で先の話?
やっぱりこれは「不妊治療」なんだな。
既に何度も病院に通っていたのに、初めて実感として不妊症という自覚を抱き、不安に駆られました。