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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑦~不妊治療の辛さとは。違和感と虚無感に苛まれ葛藤

PCOSの妊活

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された妊活について書きます。

2020年10月現在、私は妊娠しています。

通院中は、ほぼ毎日のように、「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠できる」「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠した」とインターネットで検索をかけて、治療を経て妊娠することができた女性の体験談を、希望を持って読み漁っていました。

いつか妊娠できたら、私も「PCOSでも妊娠できたよ!というブログを書こう」と思いながら。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑥~LHサージ遅延とhCG注射の続きです。

記事一覧:「多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠できた」

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産婦人科からの帰り道、足取りは重い

hCG注射が意外にも痛くなかったことに感謝しながら、帰路に着く間、いろいろモヤモヤと考えていました。

クロミッドを飲めば排卵するのだと思い込んでいたのに、あっという間にしぼんでしまった期待。

前回同様、判定結果が真っ白なゴールドサインに、妊娠に対して不適格な出来損ないの体なのだという現実を突き付けられているような感覚。

卵胞は育っている一方で発生している、LHサージの遅延。

明日排卵したとしても、今現在適正サイズの卵が育ち過ぎてしまったら?

それは質の悪い卵子なのではないか?

そんな卵子では妊娠しないのでは?

妊娠したとしても、何か赤ちゃんに悪い影響があるのでは?

精液検査結果は何も問題がなかったから、私のせいで何かあったら夫に申し訳ない。

夫も、何かフツーではないことが起きるのではないかと不安があるかも。


クロミッドを服用する段階に辿り着くまで時間がかかったという思いもあり、クロミッド服用1周目・初のhCG注射が終わったばかりの時点で、激ネガティブモードでした。

不妊治療の辛さ=努力や対処で結果がついてこない

振り返ってみると、私はこれまでの人生、張り切らずともそこそこに何とかなる器用でラッキーな生き方をしてきたし、何とかならない時だって頑張れば納得のいく結果が出せるタイプでした。


健康面で言えば、体調が悪くても睡眠と栄養で何とかなる丈夫な体だった。

それでもダメな時だって診察と薬で治った。

ヤーズフレックスを飲めば生理周期はコントロールできた。

結婚式に向けて体型を絞りたい時は食事のコントロールでクリアした。

いまだって不摂生しているわけでも、目に見える明らかな体調不良があるわけでもないのに。

なぜ、薬を飲まないと生理が来ないし、生理が来ても排卵しないのか。

排卵誘発剤を飲んでも排卵する気配がないのはなぜなのか?


妊娠とは、努力や薬でコントロールできる話ではないことに、私はこの時点で打ちのめされました。

同時に、もっと長く不妊治療に苦しみ耐えている人もいるのに、こんな最初の段階から挫けてる自分はダメだという気持ちにも。

人それぞれ感じ方もキャパシティも違うのだから、誰かと何かを比べても仕方がないと、約30年生きて来て理解している方だと思っていたのですが、始まったばかりの不妊治療に対してはそんな風に考えることができなくて、本当にダメダメでした。

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hCG注射後の夫婦生活への違和感と虚無感、夫の理解

妊娠とは、努力や薬でコントロールできる話ではないことだと感じながらも、病院から言われたタイミングで夫婦生活を持つというのは、何とも言えない違和感。

そもそも、夫婦生活=セックスとは、したいと思った時にするものだと思っていた故の感覚だと思います。


医者とは言え、いついつセックスしてくださいねと他人から言われること、

自然に任せて授かるべき妊娠や生命の誕生をコントロールしようとしていること、

ものすごく大きな違和感と虚無感に苛まれました。


救いだったのは、そんな私のモヤモヤを、夫が一切否定することなく、全部耳を傾けてくれたこと。

違和感や虚無感に同意をして寄り添ってくれたこと。

指示されたタイミングで夫婦生活を持つことに対する居心地の悪さを、お互いが感じなくて済むように振舞ってくれたこと。

やっぱり、身近な人が理解して共感を示してくれることって、心の健康に繋がります。

夫なりにプレッシャーもあったとは思いますが、私自身は、器の大きな夫のおかげで、納得してタイミング法に取り組むことができました。

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排卵が確認できた! 次回の来院は生理の有無次第

タイミングを取った3日後、改めて病院へ。

この日は、hCG注射により無事排卵したかどうかの確認でした。

「卵の殻が割れたように見えるの、わかるかな?」

と、先日は丸かった卵胞がつぶれたようなエコー画面を見せてくれる院長先生。

「注射の後、排卵したということです。タイミングは取れたかな?」

「はい」

「じゃあ後は、待つだけです! 生理が来なかったら、今日から3週間後くらいに来てください。生理が始まっちゃったらすぐ来てね、次もクロミッドを飲みましょう」

3日前のタイミングがうまくいって妊娠したかどうか分かるのは、約2週間後。

基礎体温の上がり下がりに一喜一憂しながら、ジリジリと待つだけの期間になるのか…と複雑な一方で、あと2週間は仕事の調整をして病院に通わなくても良いことにほっとする気持ちで、病院をあとにしました。

ここからは余談。

「病院終わりました、卵出てた! 2週間様子見です。今晩はカレー」と夫にLINEした診察終わりの夕暮れ時、鞄からキーケースを落とし紛失しました。私のあほう。

家に着いて鍵を開けてから気づき、すぐに探しに出たものの、どこにも見当たらない、、、

鍵を取り出したのが家に入る直前だったから、そのへんの道で落としたはずなのに、、、

お気に入りだったのに…。。。


めちゃくちゃ凹みながら夫に連絡したら、大丈夫?という心づかいと共に、駅や警察に届けるように優しくフォローしてくれ、そして駅から家までの帰り道も念入りに探しながら帰ってきてくれました。

ほんとに優しい。

夫、いつもありがとう。と深く感謝した、注射~排卵確認までの数日間でした。

(なお、後日キーケースは届けがあり手元に返ってきました!)


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑧ に続く