多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された妊活について書きます。
2020年11月現在、私は妊娠しています。
通院中は、ほぼ毎日のように、「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠できる」「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠した」とインターネットで検索をかけて、治療を経て妊娠することができた女性の体験談を、希望を持って読み漁っていました。
いつか妊娠できたら、私も「PCOSでも妊娠できたよ!というブログを書こう」と思いながら。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑦~不妊治療の辛さとは。違和感と虚無感に苛まれ葛藤の続きです。
hCG注射から2週間後にやってきた生理
hCG注射の3日後の内診で、排卵したことを確認。
この頃は毎日基礎体温を計ってグラフ化していて、注射の翌日からいつにない高温期に突入したので、自分の目でも無事排卵してるんだなということが納得できてほっとしました。
目指す次のステップは妊娠。
しかし注射から約2週間後、正確には16日後、生理が来てしまいました。
クロミッドの再服用と卵管造影検査の案内
生理が来た2日後、フレックス制度を使って仕事を15時半に退勤し、17時の予約枠で病院へ。
「そっか、生理来ちゃったか。排卵してタイミング取れたのに、残念だったね」
と、慰めるようにやや明るく声をかけてくれる院長先生。
本当に、何とか排卵してそのタイミングで夫婦生活ができたとしても、妊娠するかどうかは運なのだなと改めて思うというか思い知らされるというか…。
「ではまたクロミッドを処方しますね、生理開始5日目から飲み始めてください」
「はい」
「それから、卵管造影検査を希望してましたよね。この病院ではできないので、紹介状を書きます。薬を飲み終わった頃を予約して、1度行ってみて。おそらく来月検査することになると思います」
そっか、検査は来月なのか。。。また時間がかかるな。
「卵管造影をすると、ゴールデンタイムがあるからね」
「ゴールデンタイム? ってなんですか?」
「子宮から卵管にね、レントゲンに写すための造影剤を入れるんだけど、造影剤が卵管を通ることによって卵管自体の通りが良くなるんだ。だから検査の後、半年くらいは妊娠しやすいゴールデンタイムに入るって言われています。だから期待しておきましょう」
ほほう。とやや高まる期待。
でもこの時は、つまり来月の卵管造影検査が終わるまでは妊娠の確率が低い=今月はクロミッド飲んでもあまり効果ないかもって言われたような気がしてしまった。
つくづくマイナス思考です。
通院と仕事の調整が辛い
結局、この月は、卵管造影検査のための病院と合わせて5回通院しました。
2月7日 生理が来た2日後。17時、仕事を15時半で切り上げて通院(クロミッドの処方あり)
2月13日 有休を取得して、卵管造影検査のための別病院へ→次回生理後に検査をする予定に
2月17日 仕事を16時で切り上げて通院(卵胞チェック・ゴールドサイン1回目)
2月21日 仕事を16時で切り上げて通院(卵胞チェック・ゴールドサイン2回目)
2月25日 仕事を15時半で切り上げて通院(卵胞チェック3回目)
こうなってくると私が辛かったのは、仕事の調整でした。
特に後半の各診察日では「うーん、卵は育ってないですね」というコメントで気分を落とされつつ「じゃあ次は数日後に来れる?」という感じで進んでいったので、なかなかメンタルに応えました。
しかも通院しようにも、病院の空き枠は直前予約だから限られており、自分の仕事の調整をなんとか都合しなければならない。
フレックス制度は会社として用意されている制度とは言え、年度末の多忙な時期は定時出社の人がほとんど。そして合間には地方への出張も有り。
極めつけに、疲労のせいか顔面にヘルペスを発症するという、何とも言えない冴えない状態に。。。
不妊治療と仕事の両立は難しいとよく言われますが、これが続くのは少なくとも私には心身ともに厳しいと、この1か月間で強く感じました。
まさかの排卵の見逃し
クロミッドを服用し、その後の2月17日・21日に診察を受けましたが、いずれも「まだ卵胞は育っていない」「まだ排卵はしない」というのが院長先生の見立て。
21日の診察は「次は25日に来てください、その時にLHサージが遅延していたら、またhCG注射を打ちましょう」と言われ終わりました。
別の先生による「既に排卵してしまった」という診断
25日に通院すると、この日は院長先生ではない、初めての先生でした。
院長先生と同じ年頃の、やや年配の女医さんは、副院長先生や若い先生と違って物腰が丁寧。
ほっとした気持ちで診察台に乗りましたが、次の瞬間、エコーを見ながら言われた言葉に衝撃を受けました。
「あれ…。これはもう、前回の診察から今回までの間に排卵してしまったみたいですね」
え。
何度かエコーで映し出す位置を変えた後に、
「やっぱり排卵していますね。排卵日、捉えられなくてすみません」
と内診台のカーテン越しにすまなさそうに謝る女医先生。
私はといえば、
「いえ…」
というのが精一杯。
気まずい思いをしながら仕事の調整をして、1週間強の間に3回も通院したのに、お金だってかかっているのにという思いと、排卵を見逃されてしまったというショックが渦巻く。
排卵の兆候が確認できるまでは夫婦生活を控えるようにと言われていたので、前回の検診から今回までにタイミングも取っていない。
排卵見逃しの大ショックと、夫のフォロー
あまりのショックに、夫にすぐLINE。

病院が終わる時間の頃を伝えているせいか、即返信をくれる夫。
このあと夫は、「少し悲しい」という夫自身の感想と合わせて、
「直接見えるものじゃないからそういう時もあるよね」
「先週末は少しバタバタしてたから、いずれにしろタイミング取るのは難しかったかもね」
「誰が悪いわけでもないよね」
と私に寄り添う声掛けでフォローしてくれました。
妊娠とは、努力や薬でコントロールできる話ではない。
これは、不妊治療を体験している私側の話だけではなく、お医者さんにとっても同じなのだなと改めて感じた出来事でした。