多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された妊活について、当時の日記から抜粋しながら、ブログ記事を書いています。
2020年11月現在、私は妊娠しています。
通院中は、ほぼ毎日のように、「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠できる」「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠した」とインターネットで検索をかけて、治療を経て妊娠することができた女性の体験談を、希望を持って読み漁っていました。
いつか妊娠できたら、私も「PCOSでも妊娠できたよ!というブログを書こう」と思いながら。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑩~取れなかった夫婦生活のタイミングの続きです。
妊娠の予感から判定まで
2週間以上続く、基礎体温の高温期。
もしかして妊娠してるのでは?
というドキドキを、なかなか夫に言い出せない日々。

それでも3週間ほど高温期が続き、遂に意を決して、
「高温期が続いていて、生理が来ていない」
「妊娠しているかもしれない」
「明日の朝も基礎体温が下がってなかったら、妊娠検査薬を使いたい」
と夫に告白。
そして翌朝、ドキドキしながら計った基礎体温が高温期のままだったので、遂に妊娠検査薬を使うことにしました。

妊娠検査薬の使用(1回目)
朝食を取り、仕事に行く身支度を済ませて、
「じゃあ、検査薬使うね」
と、私は購入済だった妊娠検査薬を携えて自宅のトイレへと旅立ちました。
心なしか、夫もやや緊張した面持ち。
感想:
検査薬が2本入りで良かった
あまりに緊張してパニックになり、検査薬をトイレの便器に落とすという失敗をやらかしました。
「ごめん、失敗した!!! 仕事から帰ったら2本目で検査しよう…」
「了解。バタバタする朝にするもんじゃないね」
ほんとにね。
夫、仕事前に緊張させてごめんね。
検査薬の使用(2回目)
この日の仕事帰りの時間は、夫とちょうど同じタイミング。
最寄り駅前で待ち合わせて帰宅し、いつものように一緒に夕食をつくって食べました。
おなかも落ち着いた21:00頃、
「2回目、チャンレジしますか!」
と、2本目の検査薬を携えて、再度の出陣へ。
夫は「また失敗しないでね(笑)」と、朝よりも幾分か気楽そうな様子で「いってらっしゃい」と見送ってくれました。
結果:
検査薬の判定窓に陽性ラインが表示されていることを、ハッキリと確認しました。
検査薬の結果を夫と共有
リビングで、私がトイレから戻ってくるのを待っていた夫。
「検査薬の結果出た?」
「うん、陽性だった」
私の「妊娠しているかも」発言を聞きながらも、実は夫は完全に予想外だったようで、びっくりした顔。
念のため、検査薬の判定窓に表示された陽性ラインが見間違いでないことを、一緒に確認しました。
私は、待ち望んでいた妊娠を高揚した気持ちで受け止める一方で、どこか冷静になろうとしていて
「まだ確実なことは、病院に行かないと分からないからね。判定が間違っている可能性もあるし、残念な結果になってしまうこともあるし」
的なことを、自分と夫に言い聞かせました。
正直なところ、ちゃんと妊娠しているのだろうか・妊娠が継続できるだろうかという不安が湧き上がって来て、思い描いていた程に手放しでハッピーに受け止めることはできませんでした。
それでもやっぱり、時間が経つほどにじわじわと実感が湧いてきて、嬉しくて。
その夜は二人でだんだん饒舌になりました。
「本当に妊娠していたら」と心に保険をかけるような枕詞付きで、今年の11月頃には赤ちゃんが生まれるのだと、ささやかに喜び合いました。
病院で妊娠の判定
陽性判定から1週間後、夫を伴って病院へ。
担当は前回の女の先生ではなく、これまでお世話になってきた院長先生でした。
「生理が来なくて、検査薬で陽性が出ました」
「そうですか! ではまず、エコーで確認してみましょう。旦那さんはここにいてね」
排卵見逃しの診断が共有されていたのかいなかったのか、院長先生から特に言及はなし。
夫を診察室に残し、私と先生は隣の内診室へ移動。
真っ黒なエコー画面に映し出されるのは、これまで何度も見た卵巣のネックレスサインではなく、黒いぼんやりとした丸の中の、さらにぼんやりとした白い丸でした。
「見えるかな、これが胎嚢。赤ちゃんを包んでいる袋です。うーん、心拍はまだ見えないかな…」
胎嚢が見えたということは、妊娠確定? と緊張する一方で、
この先生の声は、隣の診察室で一人待っている夫にも聞こえてるんだろうかと気になって仕方がない。
「あ、心拍、わかるね! このチカチカ点滅しているのが、心臓です 」
内診中は、妊娠していますというハッキリした言葉は聞けないまま、促されるまま内診台を下りて、服を整えて診察室へ。
院長先生は出力されたエコー写真を夫に提示しながら、これが胎嚢、これが心拍と説明していました。
「いまたぶん、6~7週目くらいかな。予定日は11月〇日だけど、もう少し遅くなると思います。次回は2週間後に、母子手帳を発行してもらってから来てください。何か気になることはありますか」
「食べちゃいけないものとか、ありますか」
「食べれるものは何でも食べて大丈夫!」
「あの、多嚢胞性卵巣症候群だと何か気を付けなきゃいけないこととか…」
「妊娠したらもう関係ないから、大丈夫!」
そして院長先生と看護師さんの、おめでとうございます! という祝福を受けて、私は夫と共に診察室を後にしたのでした。
妊娠はゴールではない
このブログを書いている今、妊娠が確定し「おめでとうございます!」と声をかけてもらった春から、もうすぐ8か月が経とうとしています。
新型コロナウイルスをはじめ様々な不安がありましたが、臨月まで無事に過ごすことができ、予定日まで1週間を切りました。
妊活や不妊治療を振り返っていま思い出すことの一つに、以前、同じようにPCOSで不妊治療をしていた方のブログで印象的だった記述があります。
それは、妊娠はゴールではないということ。
妊娠しないことに悩み、通院に苦労していた私は、妊娠できたら今抱えている不安は全部なくなるというハッピーな毎日をどこかで想像していました。
ところが、妊娠の喜びに束の間に浸ったあとに訪れたのは、
おなかの子を無事に出産まで育てることができるのかという不安。
妊娠初期、安定期、ひとつひとつの時期をクリアするまで、生活や食事のひとつひとつに気を使う毎日。
おなかの中にいる赤ちゃんが、今この瞬間元気なのかどうかは見えたり感じたりできるわけでもないので、
心配性な自分の性格に新型コロナウイルスの広がりも相まって、かなり神経質なマタニティ期を過ごしたように思います。
出産を間近に控えた今は、
この不安や心配は、この子が産まれてからもずーっと長く続いていくのだろうし、それは親として普通のことなのだ
と受け止められるようになってきました。