多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された妊活について、当時の日記から抜粋してブログに起こした一連の記事の最終回です。
2020年11月現在、私は妊娠しています。
通院中は、ほぼ毎日のように、「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠できる」「多嚢胞性卵巣症候群 妊娠した」とインターネットで検索をかけて、治療を経て妊娠することができた女性の体験談を、希望を持って読み漁っていました。
いつか妊娠できたら、私も「PCOSでも妊娠できたよ!というブログを書こう」と思いながら。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた⑪~検査薬の陽性と病院の判定の続きです。
今回が、最終記事です。
妊娠が確定するまでの期間や治療、良かったことや感じたことなど、経験について一通り振り返りたいと思います。
不妊治療の期間・内容・金額
自己流の妊活~PCOSの不妊治療にかかった期間・内容・金額は下記のとおりです。
- 自己流の妊活を始めてから約10か月
- 病院に通い始めてからは約半年
- 多嚢胞性卵巣症候群だと診断されてから約5か月
- 通院回数は20回弱
- 毎回問診と超音波エコーあり
- 生理を起こすための薬の服用が1回
- 排卵誘発剤(クロミッド)の服用が2回
- hCG注射が1回
- タイミング法の指導
※具体的な治療が少ない割には、通院20回程度とかなり時間がかかったように思っています。不妊専門のクリニックだったら、もう少しスピード感があったのかも。
- 前提として、全て保険適用
- 半年間の通院で計40,000円強
- 1回あたり平均約2,200円(処方箋代含む)
- 1番高かった回の診察代が4,450円、安かった回の診察代が1,820円
※保険適用内で済んだので、一般的に言われる不妊治療代としては安い方だと思います。が、その後の妊婦検診で通っている中で、割とお高めの病院だったのかもと気づきました。地域差もあると思いますが、里帰り先の病院でかかるお金が圧倒的に安いのです…。
※金額と対応が見合っているのかは、違和感があったら早めに見直しても良いかもしれません。私も「排卵見逃し」の件で「これだけ通院してお金も払ったのに」と不信感を持ったので、妊娠していなかったら転院していたかも。
妊娠に効果があったもの
妊活~不妊治療を振り返って、効果があったと感じるもの・良かったことなどをまとめます。
リラックスした自然な夫婦生活
当たり前のように大切と謳われることながら、妊活・不妊治療中にはなかなか難しい、自然な夫婦生活。
私たちは、病院が「排卵を見逃した」ということにがっかりしてタイミングをしっかり取らなかったことが、逆に妊娠につながりました。
タイミングを意識しないのが正解というわけではなく、今日は上手く夫婦生活を遂行せねば! というミッションのような力みを持たないことが良かったのかなと、振り返って思います。
まさかの排卵見逃し宣言でものすごくブルーだったのですが、今となっては結果オーライです。
アロエベラジュース
不妊治療のため産婦人科に通っている話をした時に、大学の友人が送ってくれたアロエベラジュースという健康ジュースを贈ってくれました。
彼女自身が長年の愛用者で、アロエベラジュースを飲み始めてから生理不順が治った・妊娠したというエピソードを多く聞くからぜひ!と。
お肌がとっても綺麗つやつや&風邪も滅多に引かない健康な子なので、効果があるのかもな~と期待。
排卵誘発剤とクロミッドを服用くらいから1週間飲みました。
妊娠した周期とこれまでの周期での生活面の大きな違いは、アロエベラジュースを飲んでいたかどうかだったので、効果があったのかも? と感じています。
毎晩飲んでいましたが、心なしか朝の目覚めがスッキリする気がしました。
ちなみに味の方はというと…
「あんまり美味しくないよ!」
「飲みにくいかもしれない」
「むしろまずいかも」
と友人が教えてくれた通り、
確かに美味しくはない。
そして匂いは、ところてんっぽい。
飲みづらい時は、野菜ジュースやオレンジジュースに混ぜて飲むのもオススメと聞いてトライしてみたところ、かなりスッと飲めるようになりました。
いかにも体に良さそうな感じがするのですが、お値段もお高めなので、残念ながら継続は難しそう。
二人目の妊活をする時、疲れが取れない時などに活用したいと思います!
ピーチ味の方が飲みやすいと聞くので、こっちでもいいのかも。
「不妊治療経験者」としての葛藤
私は病院に通い始めて約半年で妊娠しました。
治療内容は服薬・注射・タイミング法のみ。
治療経験の浅さを引け目に感じてしまう
私は、この自分自身の不妊治療経験が、比較的浅い治療で終わり、期間も短かったことを理解しています。
同時に、
長く不妊治療を経験している方からすると、この程度は不妊治療とは言えないレベルなのではないか
と、この半年が辛かったと言いづらい引け目のようなものを感じています。
実際、年単位の長期間に渡って複雑な治療を経験している人から、私の不妊治療が浅くて軽い・期間が短いという意味で、
「あなたのは不妊治療というレベルではない」
と、はっきり言われたこともありました。
通院中、良い結果が出なかった時期に言われた言葉なので、客観的に見て事実だとは思っていながらも傷ついた。。。
そんな経験や思いも背景にあり、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できたと銘打ってブログ記事を書くことを、最初は悩みました。
私の治療体験、浅すぎて参考にならないのでは?
これくらいの経験値で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できたなんて言うなと思われるのでは?

でも、私にとって、何度も病院に通うことは、妊娠できない=女性として人間として不完全と言われているようで、本当につらかった経験なのです。
気持ちだけでなく、体力・時間・金銭などあらゆる面で、これまでに感じたことがないような、屈辱的で、苦い思いをしました。
私と同じくらいのレベル(とあえて表現します)の不妊治療を経験している方も、世の中にはたくさんいる。
その人たちは、私と同じように、もっと大変な人がいるのだからと引け目に感じてはいないだろうか。
自分をライト層の不妊治療者だとカテゴライズし、「しんどい」と感じることを我慢して抱え込んでしまう方もいるのではないだろうか?
私は不妊治療中に、多嚢胞性卵巣症候群で妊娠したというブログを読み歩いていたので、私もかつての自分のような誰かに寄り添うことができればという思いで、不妊治療ライト層としてカテゴライズされそうな自分の経験を、この一連のブログ記事を書き始めました。
自分の辛さを誰かと比べないこと
人間誰しも得意なことや苦手なことがあり、心身の強さ弱さ、キャパシティにも差があります。
だから、不妊治療のステップが軽い人・浅い人・期間が短い人の方が辛さが少ない、なんてことはない。
と、私は思っています。
しんどいと感じる自分の心を、誰かと比べて粗末に扱わないこと
誰かと自分の辛さを比較しないこと
妊活・不妊治療を通して改めて得たこの気づきは、私にとって、子育てや仕事、そしていつか欲しいと思うかもしれない第2子の妊活にも通じるはず。
せっかく苦い経験から得た大切な気持ちなので、これからの生活に生かしていきたいです。
いま、不妊治療の助成についてなど少子化にまつわる様々な政策が議論されていますね。
少しでも多くの女性が、今この記事を読んでくださっている方が、治療がもたらす様々な苦い経験をしなくて済む世の中になっていけばいいなと、心から思います。
出産予定日前日に何とか書き上げたPCOSの妊娠記録も、これでおしまいです。
PCOSでも、成熟しすぎたと思われる卵胞の大きさでも、元気な子が生まれた!というご報告ができますように。
無事に産まれて来てくれることを願うばかり…。